チムニー&角トップでの煙突施工

リフォームで既存の住宅に薪ストーブを設置して煙突を屋根から抜く場合には、フラッシング施工で円錐形の金物だけで防水処理して立ち上げるケースが多い。その方が工期も短いし、ローコストだからだ。しかし、この方法は、野地板に置いたフラッシングの底面が物理的に立ち上がってないので、強風の際に下から上に向かって雨水が吹きあがった時に雨漏れする可能性が排除できないし、何よりも、煙突とフラッシングの取り合い部分をコーキングや防水テープなどの寿命のある消耗品に頼ることになるので、20-30年スパンの長期で考えると、メンテしないと、いずれは雨漏れしてしまう。
煙突掃除の時に定期的に取り合い部分を点検して、問題が出る前に10年ことくらいに防水処理をやり直す覚悟があれば、それも良いけど、私は半永久的にそういうことをしないでも安心できる施工方法の方が好きなので、このように極力、チムニー&角トップの煙突施工を提案している。
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チムニーの骨組み作成中
この物件も広いベランダから短い脚立で屋根に上がれるようになっている。そして屋根に上がったらチムニーで身体を支えることができるので、転落の恐怖を感じることなく、安全かつ安心して煙突掃除ができる。このように新築だけでなく、リフォームの場合でも、メンテナンス性を考慮したプランで設計している。
このようにチムニー&角トップでの施工は、雨仕舞い的に有利なだけでなく、メンテナンス性でも優れているのだ。
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瓦を剥がしてチムニーを立ち上げる
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屋根との取り合い部分の鈑金、ガルバでのチムニー外壁が完成
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角トップを取り付けたところ
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引き締まってかっこ良くなった
さらに言えば、丸トップと比べて、風の影響も受けにくいし、排気部分の面積が大きいので、煤が詰まりにくく、排煙が目立ちにくいという、日常の使い勝手の良さもある。

チムニー制作の工期 2-3日
木工事 約10万円
鈑金工事 約6万円
フラッシングとの煙突部材差額 7万円
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約23万円

このようにチムニーで施工するとフラッシング施工よりトータルで20万円程度高くなるのは事実だけど、長期に渡る安心感や、メンテナンス性の良さを考えると、かける価値はあると思う。
もし予算的に厳しい場合は、薪ストーブ本体のランクを下げて値段を削る方法もあるし、角トップさえしっかりしていれば、雨漏れ、雨の浸入のリスクはないので、国産(高木工業所)の煙突ではなく、安いカナダ製の煙突部材を使うという選択肢もある。そうすれば、フラッシング施工と変わらない値段で、チムニー&角トップでの施工も視野に入れることができる。
予算に応じて、その範囲で最大限に良いものが得られるように、様々な引き出しを使って考えるので、これから薪ストーブを導入したいと考えている人は、気軽に声をかけて欲しい。
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コメント

  1. うさぎ より:

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    チムニー(角トップ)の利点
    私はただの見栄とカッコだけで20万円払いました、、。(笑)
    ①新築の場合:長期的採算が取れます
    ②古家の場合:何年あと使用するか?
           雨漏りチェックになる
    ①②どちらにしても雪の多いエリアの場合にはフラッシングでは大雪だと氷になった加重で簡単に曲がって壊れるので相当な費用が発生します。

  2. かわはら より:

    5a326db1e1e9e1431610192552ef3117
    うさぎさま:
    角トップの採用で、結果的にラッキーでしたね。
    おっしゃる通りで、私も中古住宅の物件とか賃貸物件の場合には、フラッシング施工を提案するケースもあります。