私が薪ストーブ設置工事の依頼を受けた場合には、可能な限りなるべく早めの設計段階から関わらせてもらって、メンテナンス性の良い、安全性の高い設計、そして施工をしているのはもちろんだけど、工事完了後の、実際に火を入れての取り扱い説明にも、特に力を入れている。
よくあるパターンの「火入れ式」「ナラシ」と称してサクっと焚きつけだけして帰ってくるのではなく、何回も薪を追加するまで2-3時間は最低でも焚き続けて、ユーザーが薪の投入も自信を持ってできるようにしている。薪の投入の前後の空気調整のコツなども含めてきっちりレクチャーしている。
自信を持って薪を追加投入できるように実際に、私がやった後には、ユーザーにも体験してもらう
まずは天板で定番の焼き芋、お湯もボコボコ沸く。鍋もたくさん置けるだけの天板の広さも特筆できる
数時間かけて、ここまで焚き続けると炉内温度もしっかり上がって、熾火もたっぷりできて、料理にも活用できるようになる。焚き方の指導だけでなく、施主さんの希望があった場合には、現場にあり合わせの材料や器具で、薪ストーブ料理のレクチャー、実演も行っている。
まずは、炉内で肉の塊の表面を焼いて、肉汁が外に出ないようにする
次にダッチオーブンに数センチ角に角切りにした野菜を入れて、上で処理した肉を乗せて天板でじっくり蒸し焼きにする
巨大な豚肉の塊だったので、失敗するわけにはいかない。柔らかく美味しく仕上げるために、表面を炉内で鉄板で焼き色をつけた後に、低温で内部まで蒸し焼きにする作戦を取った。ダッチオーブンの底と周囲に野菜を敷き詰めれば食材の水分が蒸発してくれるので100℃以上にはならないし、野菜の栄養や旨みと肉との相乗効果のハーモニーとなる。狙い通りにできて、ホロホロに崩れるくらい柔らかくて皿に盛って出したら、あっという間に完食となった。ダッチオーブンの蓋を開けた瞬間の完成写真だけで、切り分けた写真を撮り忘れた。
炉内ではピザ焼きも行った
ワインとの相性抜群
最後に餃子も焼いた。蒸し焼きの際に蓋がなかったので、現場にあったアルミ箔と薪を重石替わりに代用
ちなみに、炉内調理の際に、このように扉のガラスにはねた油は、その後焚けば焼き飛んでしまうので、気にしないで大丈夫なのだ。
今回の記事でレポートしたように、ハンターストーブの「アスペクト5」は、縦型のストーブだけど、炉内も天板も料理にフル活用できる、珍しい機種なのだ。「立ち上がりの良さ」「簡単な操作性」「コンパクトで省スペース」「シンプル&モダンなデザイン」とは、なかなか両立しにくい「料理がバリバリ可能」を兼ね備えた秀逸なモデルだ。
さらに価格設定も、高級ストーブの中では比較的安価な税別32万円の定価設定で、コストパフォーマンスが高い。(一回り大きなサイズの同社のスカゲンの税別37万円より5万円安い)
もし20万円代の定価設定だったら爆発的にヒットするだろうと思うが、今のままでも十分にお買い得だと思う。
【↓ 一日一回、訪問のしるしにポチっとクリック(タップ)いただけると幸いです 】
コメント
いやはや、この定価を見て正直びっくりしました。
性能もかわはらさんの折り紙付きで、ちょっと欲しくなりますねぇ。
近年ハンターストーブの存在感が強くなってきていると感じていましたが、これでまたぐっと普及しそうですね。
ガヤさま:
オシャレな縦型モダンストーブは、けっこう定価が高いのが一般的ですからねぇ。
ハンターストーブのアスペクト5はこの形状で料理もできて、定価も比較的休めの設定でイチオシです。