遠方での工事の場合、「現地で工具を貸すから身一つで来て良いよ」と好意で言ってくれている場合もあったけど要注意だ。日曜大工程度の工具だけで全然足りない場合もあるし、大工さんなど現場のプロが貸してくれる場合でも、大工さんが使う道具と、薪ストーブ屋が使う道具が一致しないケースも多い。たとえばジャッキ、メガネ、スパナ、六角レンチ、金属に穴を開けるポンチ、ドリルなどはない可能性の方が高い。それから養生の毛布等の副資材もないケースが多い。そうなると、結局は現地でホームセンターに行って買いに行くことになる。適切な道具や工具がないと、雑な仕事になってしまったり、破損、汚損のリスクが高まる。
新幹線や飛行機を使って身一つで現地へ乗り込んで、現地でレンタカーを借りて、資材はあらかじめ送っておいた運送会社へ取りに行くという作戦もあるけど、この場合は現地に到着後、すぐに工事できない。到着した翌日は、丸々1日、資材の手配のため慣れない現地で動く必要がある。移動に半日かけたとしても、やはり1日半位はかかってしまう。実際にこの作戦の場合は、出発前に資材を発送するのにも、梱包して運送会社へ持ち込む時間と手間で半日から1日は要するので、実質的には2.5日かかると日程を見積もっておいた方が現実的だ。
高速道路を使って車で行くパターンも過去に何度か行った。例えば九州へ行く場合などは、千葉から出発する場合には、途中で京都、広島辺りで2回宿泊しないと厳しい。日中運転し続けて夕方にたどり着くのがその辺りになるからだ。徹夜で運転など無理なことをすると居眠り運転で事故を起こすリスクが高まるので、無理はしない方が良い。そうすると、現地に到着して前泊して、実際に工事に入れるまでに丸々3日間を移動だけで費やすことになる。そして運転しっぱなしなので、けっこう疲労した状態で作業することになる。
そう考えると、フェリーの船旅の場合、寝ている間も含めて常に移動が進んでいるので、24時間程度の移動時間+前泊で1日半で作業に入れるし、何よりも運転し続けなくて済むので、疲労度が少ない状況で現場に入れる。フェリーの交通費がそれなりにかかると言っても、高速道路+2泊分の宿泊費と比較すれば、あまり変わらないような気もする。
高速道路での長距離の移動だと、速度にムラのある先行車にイラついたりする。交通量の少ないところで、左側の走行車線を走っていると、よくあるのが、時速70キロ位になったり時速90キロ位になったりで一定の速度で走れないドライバーだ。こちらはクルーズコントロールの機能を使って時速80キロぴったりで一定の速度で走っているから、追いついてしまう。そこで追い越しをかけようとすると、ムキになって加速して抜かせてくれない。仕方ないので、こちらはアクセルをさらに踏み込んで、時速120キロ位までフル加速して、やっと抜かせるという状況だ。抜いてしまうと、その車は、また70キロ程度まで速度を落として、すぐにバックミラーから見えなくなる。
交通量が比較的多くなってきたら、流れに合わせて時速100キロ程度で右側の追い越し車線を走っていると、その車線をブロックしてゆっくり走っている車とか、後方から早い車が接近しているのに、追い越しをかけようと右側の追い越し車線に割り込んでくる車も多い。
それから大都市圏を通過の際の、交通量が多過ぎてのお決まり自然渋滞や、漫然と走っていることで上り坂で速度が落ちることでの自然渋滞もある。交通事故で数十キロ渋滞することも珍しくない。
フェリーでの移動の場合は、こういうストレスやイライラがなく、のんびりとリラックスして移動できるので、精神衛生上とても良いし、事故のリスクも少ない。
そういうわけで、最近は、北海道や九州などの、フェリーで行ける現場の場合は、フェリーの一択だ。
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