ヨツールの薪ストーブの見学から感じたこと

この時期、薪の配達、煙突掃除、メンテンナンスなどシーズン後にたまっていた案件を片付けて、時間を作って、各社の最新モデル、最新情勢の見学、勉強に行った。

今回のネスターマーティン代理店会議の際に、新商品のM43の説明があった。 扉全体を大きなガラスが覆い、鋳物ならではの美しい形状でデザイ...

京都行きの記事をリアルタイムでアップしたため、話は前後してしまうが、ネスターマーティンの最新モデルM43の詳細を紹介した。さらに、その前にはヨツールの見学のため、茨城県土浦市のメイクのショールームに行った。

ヨツールといえば、超定番モデルのF400, F500があげられる。これらの最新モデルはF400 ECO, F500 ECOとモデルチェンジされていて、従来の旧バージョンとはだいぶ性格、性質が違う。ヨツールに限らず各社とも共通して、ヨーロッパの最新の排煙規制に適合させるために、だいぶ空気を絞って燃やす設計となっている。そのため、あまり薪をたくさん入れると、きちんと燃えない。「具体的に1時間に何キロの薪を燃やしてくれ」と、メーカーできっちり指定されるようになった。

F200の場合1.2kg/h
F400 ECOの場合1.84kg/h
F500 ECOの場合2.4kg/h
F305の場合2.4kg/h

ヨツールの定番機種

ユニークなデザインのモデルにも兆候が・・・

ヨツールと言えば、従来は鋳物製の薪ストーブしか見られなかったけど、ショールームに行くと、新たな兆候、トレンドが感じられた。F305には天板にソープストーントップのオプションが設定されて、蓄熱効果を追求しはじめていることを感じた。

ソープストーンをまとっている

さらに、大型の本格的なソープストーンの薪ストーブも、スタイリッシュな形状と、質実剛健な形状の2機種もが設定されて、蓄熱効果の高い薪ストーブの選択肢が大きく増えている。

一般的な鋼板製や鋳物の薪ストーブを使っている人は、ソープストーンの薪ストーブの柔らかい暖かさ、心地良さを体感、実感していないので、なかなかそ...

過去のブログの記事で、「これからは蓄熱の時代だ」と書いたけど、ヨツールもその方向に舵を切りだしたということが感じられる。ソープストーン製の薪ストーブの心地良さは、体感してみないと実感できない。鋼板製や鋳物製の薪ストーブとは次元が明らかに違う。

これまでもソープストーン製の薪ストーブを、既存薪ストーブからの買い替えで、当店で導入されたお客様の中には、過去に鋼板製や鋳物製の薪ストーブを使ってきて、相当目が肥えているわけだけど、そういうお客様を満足させている。

ヨツールのソープストーンモデルのFS173, FS175の詳細についてはメーカーサイトでチェックしてもらうにして、本体値段は約200万円、重量も350キロクラスと強烈だ。設置する場所の床の強度も求められる。導入する場合には、鋼板製や鋳物製の鉄の薪ストーブよりも覚悟が必要となってくるが、その分の満足度も高いだろう。

側面にもガラスがあるスタイリッシュなソープストーンの薪ストーブ

北欧ノルウェーの世界的な薪ストーブ・暖炉メーカー、ヨツールグループの日本総代理店。日本製の高品質な各種煙突も揃え、全国に販売店を展開。北欧を中心とした関連アクセサリーも豊富。

ガラスは正面で、重厚な形状のFS175

北欧ノルウェーの世界的な薪ストーブ・暖炉メーカー、ヨツールグループの日本総代理店。日本製の高品質な各種煙突も揃え、全国に販売店を展開。北欧を中心とした関連アクセサリーも豊富。

なお、FS173, FS175については「受注輸入」なので、国内在庫はない。そのため発注してから半年から1年位はお取り寄せ期間がかかると認識して計画的に考えて欲しい。

「ヨツールのソープストーン製の薪ストーブが良いけど値段が・・・」「納期が・・・」等の点でネックになる場合には、他メーカーになるが、アルテックのソープストーン製の薪ストーブという選択肢もある。

オランダにあるアルテック社よりソープストーン製薪ストーブの輸入販売をしています。 またキャンプ・アウトドア用品・薪などの販売もしています。

ソープストーン製の蓄熱性の高い薪ストーブが、現在の私のお勧めの素材だ。薪ストーブと言えば、鋼板製や鋳物製しか選択肢に上がってこないケースが多いけど、ソープストーン製の薪ストーブも実際に体感して良さを実感して欲しい。

薪の持つエネルギーを溜め込んで使い尽くすという意味で、これ以上の薪ストーブはない。ソープストーン製の薪ストーブは炎が落ちてからも長時間暖かさが続くのだ。「朝寒いから薪を目いっぱい突っ込んで空気を絞って一夜焚きする」という誤った使い方をしがちな鉄の薪ストーブが多いことからも、鉄と石が全く違う性質なのは理解できると思う。

ちなみにFS173, FS175ともに薪の投入量は、F305やF500 ECOと同じく2.4kg/hで設定されている。同じ量の薪が燃えた時に発生する熱量は同じなので、その熱をいかに本体にためこんで、薪が燃え尽きた後に長時間放熱させるかということで、必然的にソープストーンにたどりつくのだ。

20年位前の薪ストーブは、かなりおおらかで、大量に薪を入れたとしても何とか燃えてしまったけど、現在の最新の薪ストーブは、厳しい排煙規制に合わせた極端に流入空気を絞った設計になっているので、大量に薪を突っ込むと不完全燃焼してしまう。特に古いモデルからの買い替えのユーザーは気をつけて欲しい。

なお、ソープストーン製の薪ストーブは「立ち上がりが遅い」というネガティブ要素だけを取り上げてしまいがちだけど、それは初日だけの問題で、日常使用における2日目以降の焚きつけ時には、スタート温度が鉄製の薪ストーブより明らかに高い状態なので、むしろ立ち上がりは早いし楽であるというメリットの方がはるかに大きいと思う。また、蓄熱によるトータルの薪の消費の少なさ(薪を焚き続けなくても、燃え尽きた後に、ゆっくりと放熱してくれる)も特筆できる。

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コメント

  1. 薪よう子 より:

    スゲー薪ストーブ最新事情が伝わり面白かった!
    省エネは地球規模で益々拡大しますね!
    しかもこういう薪の単位当りの投入量比較など裏付けが入るからわかりやすいでした。

    • かわはら より:

      薪よう子さま;

      あとはユーザーが適切な薪の投入量を守るかがポイントとなってきますね。
      ヨツール以外のメーカーでも薪ストーブの炉内サイズによって大差はないでしょうから、ヨツールの数値はだいぶ参考になると思います。