薪ストーブを決定する際、メーカーカタログに書いてある「出力」を参考にする方も多いと思います。
カタログの数値は参考になりません
カタログに記載されている「出力」「暖房能力」の数字はメーカーによって独自の計算方法で算出しています。
ですので、計算方法が違うメーカー同士の数値を横並びさせての比較はできません。
つまり、「A社の10kW」より、「B社の8kW」の方がパワフル、なんてことも普通にあるのです。
違うメーカー同士の暖房能力を比較する場合、一番確実な数値は「炉内サイズ」です。
詰まるところ最終的な暖房能力は
- 投入する薪の量
- 投入する薪の質
の組み合わせで決まってくるからです。
「良質な薪」を「たくさん入れられる」ストーブほど暖房能力が高いのです。
本当に大事な情報はカタログやWebではわからない
炉内にどれだけの薪が入るか、それを計算するには
- 炉内の幅
- 奥行き
- 高さ
から容積を算出し、
などを差し引けば良いのですが、そんな数字はカタログには載っていません。
ですが実はこれが一番大事な情報なのです。
要するに、本当に大切なことはカタログやウェブでは判らないのです。
大きすぎるストーブも小さすぎるストーブもダメ
以上の理由から「家に適切な暖房能力を備える機種を選択できなかった」ユーザーも多くいらっしゃいます。
必要以上にパワーの大きい機種を選んでしった場合、
- ストーブが暖まるまで大量の薪を入れないといけない
- 一旦暖まると暑すぎて家がサウナ状態
になりとても快適とはいえない状態になります。
またストーブが小さすぎた場合
- いくら焚いても暖かくならない
のはご想像がつくかと思います。
大きな費用をかけせっかく薪ストーブを導入するのですから、ご自宅に適切な機種を選びましょう。
暖房能力をどの時期に合わせるか
家の広さ以外にも暖房能力を決める際に重要なのが
「冬場のどの時期をターゲットにするか」
ということです。
最も寒い2月にちょうど良いレベルのものを選んでしまいがちですが、そうするとそれ以外の時期の使い勝手が悪くなります。
2月に合わせるとストーブは大きくなりがちです。
そうなると前述したとおり定格になるまで大量の薪を必要になり燃費が悪化します。
そして一度温まると今度は部屋が暑くなりすぎるのです。
かと言ってチョロ焚きすれば煤や煙を大量発生して問題になりますし、そもそも暖かくなりません。
快適に使えるのが1シーズンのうち2月の数週間程度という状況は避けなければなりません。
あなたが選ぶべき薪ストーブの機種は
以上の観点から
「一番寒い時期にはちょっとだけ物足りない」
レベルの機種を選択されることをオススメいたします。
厳寒期には火を絶やさずガンガン焚き続けてカバーする、というのがもっとも使い勝手が良いでしょう。
当店がお客様にアドバイスする際は、設置する家の広さや間取りなどの環境を充分考慮し、もっとも適したサイズと能力の機種をお勧めしております。
予算や設置スペースに余裕がある場合、ストーブを2台設置し、普段は一台だけ焚き一番寒い時期には2台同時に焚く、という選択肢もあります。