薪ストーブの中で、薪がどのように燃えるかは、その時の炉内の状況によって異なる。
炉内がまだ温まっていないでボーボーと炎を立ち上げて燃えている時は薪が直接、酸素と結びついて燃えて黄色い炎を上げている。
その後、熾き火で炉内が満たされて炉内の温度が十分に高くなっている時は、燃え方が違う。薪を投入したら黒く炭化して、やがて燃焼ガスが噴出してきて、それに引火して透明な炎がつくような感じになる。最初に薪が炭焼き状態になってその炭が赤くなって燃えるという印象だ。その様子を撮影してみた。
何でそのような違い出てくるのかを考えてみた。それは割りと単純だと思った。炉内の下の方が熾き火で満たされているために酸素はそこでかなり消費されてしまっているのだ。そのため熾き火の上の方は酸欠状態になって薪を上に置いてもすぐに酸素と結びついて燃え上がることができないのだ。そして炎を上げることなく熱によって炭化が進み、薪から蒸発するガスと、熾き火が消費しきれなかったわずかな酸素と結びついてゆらゆらとした透明な炎が立ち上がっているのだろう。
こういう燃え方をしている時が一番薪の消費も少ない状態で高い温度を維持できるのだと思う。