薪ストーブでの料理は色々できる。
天板で煮物やおでんなどは初心者でも簡単に取り掛かれるだろう。今までガスコンロの上でやっていた鍋を移すだけで済む。天板の上でアルミホイルに包んだヤキイモもとりあず体験しておきたいところだ。天板の上で焼いたトーストも美味しい。ダッチオーブンも炉内に入れなくても天板の上でもけっこうイケる。むしろ湯気や匂いが確認できる天板の方がいいかもしれないくらいだ。
天板を取り外したり、開けたりできるモデルなら金網を置いて、その上で焼き魚、焼肉、焼きおにぎりななども比較的簡単にできる。上手にやれば無煙ロースターのように煙は煙突に引かれて室内側には煙は出てこないのだ。
そして一番難しいのが炉内料理だ。時間をかけて炉内の熾き火の量や温度を料理に最適な状態を作り上げてやる必要があるからだ。
薪ストーブを24時間連続でガンガン焚くような本格的な寒さになると、炉内料理をする機会は少なくなる。熾き火でちょうどいい感じになったとしても、そこでゆっくりと料理をしていられる状況ではなく、薪をくべて炎をボーボー出して焚いて温度を上昇させてしまうことになるからだ。
少し焚いたら暖かくなって火を落としてもいいやというシーズンに入った直後の今の時期や、シーズン終りくらいが、炉内料理に最適なのだ。
そんな薪ストーブでの炉内料理での定番はピザだろう。以前、とても美味しい冷凍宅配ピザを紹介したが、慣れないうちにいきなり挑戦するのはどうかと思う。せっかくの本格的なピザを焦がしてしまったりしたらもったいない。
まずは、食パンとスライスチーズで練習することをお勧めしたい。これなら失敗してもダメージは少ない。炉内に五徳を置き、ダッチオーブンの蓋(スキレット)の上に乗せて、上下とも良い感じで確実に焼けるようになるまで何度かやればコツが判ると思う。上側の焦げ目は立ち上がった炎で、下側の焦げ目は熾き火の量で決まってくる。写真のように、炉内を熾き火で満たした状態で、細めの薪を数本入れて炎がゆらゆらと立ち上がっている状態でやると美味しく焼ける。コツは扉の開け閉めの時間をなるべく短くして炉内の温度を下げないこと、食材を投入したら目を離さないことの二つだ。
自信を持って炉内で焼けるようになったら、本格ピザを注文して焼いてみよう。