数年前に高槻市の新築住宅に設置した煙突&薪ストーブで、今シーズン中に「室内側の天井の煙突貫通部分の化粧板から黒い煤が漏れた痕跡を発見した」という連絡を受けたので、今回の関西ツアーに合わせて、とりあえず点検に行くことにした。
高木製の角トップは屋外側の排気部分と、チムニー内の内側の縁が完全に切れていて排気漏れするようなことは考えられないし、高木の二重断熱煙突のコネクター部分からの排気漏れというのも考えられない。
角トップのルーバーの内側の金網部分が煤で完全にふさがって排煙の出口が全くないくらいになれば、微小な継ぎ目から漏れるかもしれないが、その前に室内側に薪ストーブの空気流入部から煙が噴き出して、部屋の中が白い煙でモクモク状態になるはずだ。
原因は化粧板を取り外して、内部をチェックしてみないと判らない。
確かに化粧板の上部から煙(煤)の痕跡がある
痕跡の拡大写真
恐る恐る化粧板を取り外すと内部のケイカルにまんべんなく煤が付着
どこか特定に穴や隙間から煙が漏れたという感じの煤の付着の仕方ではない感じ
目視で観察して漏れ箇所が判らないので、真夏日だけどガンガン実際に焚いてみて煙の漏れチェック。
作業中の自分の写真は自分では撮れないけど、今回はお客さまが撮ってくれた貴重なショットがあるので、はりつけておく。
室内に搬入した二連梯子の上での作業
化粧板を取り外して、内部の状況を確認後の報告中
点検終了後、化粧板を取り付けているところ
ガンガン焚いても、全く煙の漏れは確認できなかった。
そこで、お客様に「いつ煤の付着を確認したのか」「どういう状態の時に煤が出たのか」などをヒアリングした。
すると今シーズンに「薪を超大量に突っ込んで燃やして熱暴走させたことがある」という事実が浮かび上がった。
煙突内の煤に引火して煙道火災を起こして、煙突の表面温度が上がって、煙突の表面に付着していた埃が焦げた可能性が高そうだ。
この点検の後に、煙突掃除をしたが、煤の量が想定より少なかったのも気になった。
つまり、一度煤が煙突内で燃えて、リセットされて、回収したのは、その煙道火災の後の煤と考えると納得がいく。
一度、リスクの高い焚き方を経験したから、今後は大丈夫だと思う。
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コメント
川原さんへ 質問ですが、いままでヨツールを使用しておりやすが、暴走とかは灰受け皿、つまりロストル下ドアを30分とか閉め忘れて開けっぱなしにしない限りは、まず起きないしないと思っいました。 このビンテージドブレは灰受け皿を、開けっ放しでもしたんですかね!? 熱暴走は簡単に起きたりしてしまいますか? (熱暴走のど、自分とは無関係であり、ほとんどしない、またはさせないと安心していてはいけないのか?と多少この記事は他人事ではにのか不安になりました。)
うさぎさま:
ビンテージはヨツールと違って、独立した灰受け扉はありません。メイン扉のみです。ですから、そのようなメカニズムでの熱暴走ではないです。
本文にも明記していますが「薪を超大量に炉内に投入」が原因です。空気を絞っても制御がきかなくなり恐怖を感じる燃え方になります。
私の経験(あくまでヨツール)でございますが、真冬の厳冬期零下20度とかの別荘到着などでたまに、炉内目一杯の大量薪を詰めてガンガンやることはあります。 小枝だけで炉内を一杯にしないかかごりまたはロストル下部を開けっぱなしにしない限り、薪大量に燃やすだけで熱暴走する機種もそうなるとあるんですね。 薪ストーブの機種によってはこうした薪大量だけの原因で熱暴走するとは知りませんでした。有難うございます。
どもども 初めて書き込みます。以前、○○スさんの角トップで、角トップ内煙突の口元あたりから室内負圧により、煙突囲い内に煙が入っていたことがありました・・ それと似ているなと思いました。他社施行ですが・・
はすくらさま:
貴重な情報ありがとうございます。
この家は「高気密高断熱」とは程遠い家なので、それと同じ現象ではないと思いますが、そんなこともあるのですねぇ。勉強になります。
うさぎさま:
メーカーによっては、取り扱い説明書に薪を大量に目いっぱい詰め込まないように」という趣旨の注意書きがあります。ちなみに、今回のケースのドブレについては、そう書いてあったように記憶しています。