煙突の種類
薪ストーブの煙突にもたくさんのメーカーと種類があります。
そして煙突はその「性能」により大きく3つに分類することが出来ます。
- シングル煙突
- 中空二重煙突
- 断熱二重煙突
の3種類です。
上記した煙突の見た目は大きく違いません。
では、煙突の性能を決めるものは何でしょうか。
「良い煙突」「悪い煙突」を決める大きな要素となるのが、
「ストーブの排気(煙)をいかに高温に保てるか」
です。
では、なぜ
「ストーブから出る排気(煙)を高温に保つこと」
が煙突の良し悪しを左右するほど重要なのでしょうか。
シングル煙突、中空二重煙突、断熱二重煙突の違い
煙突の種類を表したイメージ図です。
A.シングル煙突
まずは「A」から御覧ください。
「シングル煙突」という名前の通り、1枚の鉄板を曲げて作られている「一重」の煙突です。
使用する材料が少なくて済み、ローコストです。
ホームセンターに並べられている煙突は殆どがこのタイプです。
B.中空二重煙突
次に「B」の中空二重煙突。
これはシングル煙突を更に外径が一回り大きな煙突に入れたものです。
内側と外側の「2重」になってはいますが、煙突同士の間は空洞です。
コストはシングル煙突より上がります。
C.断熱二重煙突
最後が「C」の「断熱二重煙突」です。
内側と外側の二重になっているのは「中空二重煙突」と同じです。
ですが、煙突同士の隙間には「断熱材」が充填されています。
コスト的にはこれが3つの中ではもっとも高くなります。
そして性能の面から申しますと、もっとも高性能なのが「断熱二重煙突」、次が「中空二重煙突」、最後が「シングル煙突」です。
なぜそうなるのでしょうか。
それは最初にお伝えしたとおり、「二重断熱煙突」は「中空二重煙突」や「シングル煙突」より「薪ストーブの排気(煙)温度を下げない」からなのです。
繰り返しますが
「排気温度を下げない煙突を選択すること」
これが
「快適な薪ストーブライフ」
を送るうえでとても重要です。
シングル煙突と二重断熱煙突の大きな違い
「シングル煙突」と「断熱二重煙突」を比較したイメージ図を御覧ください。
違いがおわかりでしょうか。
シングル煙突と比べると、断熱材が充填された2重断熱煙突からはあまり「熱」が逃げていません。
そして赤い矢印は「排気(煙)の勢い」を現しているのですが、「シングル煙突」より「二重断熱煙突」が強く大きくなっているのがおわかりかと思います。
この図は「シングル煙突」と「断熱二重煙突」を比較した場合、「二重断熱煙突」のほうが「シングル煙突」より
「熱を逃がさず強い上昇気流を産み出す」
ことを現しているのです。
「熱を逃さず強い上昇気流を生み出す」こと、これが薪ストーブの煙突に必要な役割なのです。
勢い良く排出し、勢い良く吸い込む
みなさんも学校で習われたことと思いますが、冷たい空気は密度が高いため「重く」、反対に高温の空気は密度が低いため「軽く」なります。
ストーブシーズン、外には冬の「冷たく重い空気」があり、煙突内には薪ストーブから排出された「熱く軽い空気」があります。
そしてその2つは煙突の出口で繋がっています。
両者の「気圧」の違いは煙突内の「熱く軽い空気」に「浮力」を発生させます。
排気温度が高ければ高いほど(限度はありますが)大きな浮力が発生し、強い上昇気流、つまり強力な「ドラフト」が発生します。
逆に排気温度が下がってしまうと(冷えてしまうと)浮力は小さくなりドラフトも弱まります。
このことから
「排気温度を下げない」=「強いドラフトを生む」
ことはご理解いただけたと思います。
次のページでは強いドラフトが燃焼に対しどうメリットがあるのかをご説明いたします。