下から積み上げ方式での煙突工事で課題が2つ

当初の予定の日程だと強い雨降りだったので、一日延期した。とりあえずは、工事の前日に、雨が小降りになったタイミングで現場を下見に行った。

現場を下見に行った後に出た、海にかかる巨大な虹

下見の後に、夕食に出かける時に、雨上がりの虹が出て、幸先の良い工事の予感がした。

今回の現場では、現場監督の指示がうまく職人に伝わっていなかったようで、煙突工事の日程に、まだチムニーが完成してないという事実が発覚した。防水紙をチムニーの側面に巻いたところまでで、板金の外壁施工がまだだったのだ。また、完成後のチムニーの外寸が、打ち合わせ時に指示した通りではないことも判明した。

打ち合わせ時に建築工事でチムニー作成ということだったけど、何故か当店でチムニー作成と勘違いしていたようで、施主さんに催促されての、煙突工事直前での、突貫工事だったようだ。

現状で煙突や角トップを取り付けてしまっても、大きな問題ではない状況だった。チムニー外寸が、こちらの指定よりもだいぶ小さかったので、外壁施工も可能な状況だからだ。もし外壁施工の邪魔になるようだったら、後からボルトを緩めれば角トップ本体を持ち上げることもできる。

それでも、煙突施工前に、チムニーの外壁ができていた方が無難なので、施主さんと協議の上で、(工務店経由で)板金屋さんを呼んで、煙突工事の当日の午前中に外壁施工するということになった。それで午後からの煙突工事の段取りを組んだ。

工事当日の、午後になったら、すぐに仕事に取り掛かれるように、朝のうちから現場に入って、部材は工具を車から降ろして、現場の各場所に配置しておく。

その際に、板金屋さんに「午前中で終わるんですよね?」と確認したら「全然終わらない。まだ段取りしているだけだから、夕方まで今日、丸まる一日かかる」という返事で、驚いた。板金屋さんも、いきなり現場監督から呼ばれて来たらしく、かなり混乱している様子だった。まあ、板金屋さんのせいではないし、煽っても仕方ないので、「終わったら煙突工事しますので声をかけてください」と伝えて、室内側のできる仕事からスタートした。

今回は板金屋さんが外壁施工の作業していて、チムニーの上側から煙突を固定できないという特殊な事情だったので、室内側の煙突貫通部分から積み上げるという特殊な方法を取った。

たまたまチムニーの外寸が指定寸法よりもかなり小さかったので、下側から積み上げ方式でスタートしてチムニーの真芯に煙突芯が来なくても、多少のずれは許容できる状況でもあった。もし、外寸が指定通りの寸法で、角トップの枠が入るか入らないか微妙な感じだと、板金屋さんの作業を待って上から煙突を取り付けるしかない。(たいていの場合、チムニーの煙突貫通部分が天端と下端で全く垂直線状に一致していることはなく、上端で真芯に合わせると、下端は下端の真芯からずれるので、どちらかに合わせる必要がある)

室内側の煙突取り付けが終わってからは、薪ストーブ搬入の準備のために搬入経路の足場を解体したりして、時間調整をした。さらに、出前を取ってゆっくりと昼食を摂って、待機していると、ようやく板金屋さんの作業が終わった。板金屋さんも、こちらが待っているのを認識しているので、昼食返上で速攻で作業してくれた。

声をかけてもらってから、板金屋さんと入れ替わりで、屋根の上の作業に入る。

海が主役の煙突工事

快晴で気持ち良い天候の中の作業だった。

架台を取り付けた後に断熱材の敷き込み

通常はチムニーの上側から煙突を降ろしていく流れだけど、今回は板金屋さんが作業していてその工法を取ることができなかった。難易度の高い、室内側の煙突貫通部分から、煙突を積み上げていって、天端の仮蓋の直下まで煙突を伸ばしておいて、仮蓋の撤去後に、最後の一本の150Lの煙突を付け足して天端に固定するという方法を試してみた。

室内側からメジャーで天端までの寸法を測ってやったのだけど、フラッシングと違って、角トップは煙突の高さの設定がシビアだ。ギリギリで攻めるとメジャーの当て方での数センチの誤差でも角トップ本体と煙突の先端が干渉してしまい、角トップがかぶさらない。角トップの上下で完全に縁が切れているタイプを使用しているからだ。

メトスの角トップ本体の凄さの秘密(理由)を公開しよう! (煙突掃除の際に見られる)角トップ本体の表面 (滅多に見られない)角トッ...

そのため、最上部の150Lの煙突の角トップと干渉する余計な部分をサンダーで切断するという手間がかかって、今後の課題となった。

最上段の煙突として使ったのが150Lというのも、問題の一つだったかもしれない。通常、使う970Lはインナー管の上部が少し太くなっていて、角トップ本体のパイプがスムーズに入っていくか、150Lはその太くなっている部分が少ないか、ほとんどない感じで、パイプの飲み込み代が十分に確保されない。そのため、角トップ本体のパイプを絞り機で少し直径を小さく絞ってやる手間と時間も必要になった。

また、煙突の構造をよく観察して300Lもしくは470Lを最上段で使うように設定した方が良いかもしれない。(300Lや470Lが150Lと同じ構造だった場合は、絞り機であらかじめ角トップ本体のパイプを絞っておく)

そもそも、今回のように、下から積み上げ方式で煙突工事をやることは、ほとんどない。(というか、角トップの時で、このやり方をしたのは初体験だ)次回、同じやり方をすることは、まずないだろうけど、もしあったら、その時は面倒でも、腰袋に手持ちのメジャーではなく、レーザー距離計を取りに行って、正確に測定しようと思った。

多少余計な手間がかかったけれども、それでも板金屋さんの作業が終わってから、通常の手順で上から煙突を取り付けるよりは、圧倒的に早く進んだ。本来であれば、初日の午後に煙突工事、二日目に薪ストーブ本体の搬入の段取りを組んでいたが、一日で、全部工事を終わらせることができそうな雰囲気となった。

屋外側の煙突工事、無事に完了

板金屋さんの作業が終わってから、通常通りの手順で作業すれば、特に問題はなく終わっただろうけど、今回は、特殊な手順のために、いくつかの困難を乗り越えて、多くの学びがあった。

今回の下から積み上げ方式で、二日間で予定していた工事が一日で終わった。そのため二日目に、ゆっくりと火入れレクチャーすることができた。(当初の予定では、二日目の午前中に、薪ストーブ本体の搬入、設置で、午後から火入れレクチャーだった)

初日が終わった段階で、工事がまだ完了していない不透明な状況よりも、精神的にだいぶ楽な状態で、二日目を迎えることができた。

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