室内側の煙突が、断熱材が入ってないシングル煙突で施工事例はかなり多い。
シングル煙突の問題は、排気温度が下がってしまうことだ。
「排気温度が下がった方が煙突からの熱が室内に出て暖房になるから良いんじゃないの?」と信じている人も多い。
しかし、それは誤りだ。シングル煙突で排気温度が下がると、本来の薪ストーブの能力を発揮できなくなるのだ。
1.シングル煙突だと排気速度(煙突の上昇気流)が弱く、薪ストーブの立ち上がり時間が、二重断熱煙突に比べて2倍遅いので、その間に無駄に薪を消費する
2.シングル煙突だと、炉内温度が上がってからも、空気調整で絞れる量が限られているので、安定燃焼時でも、薪の消費が多い
3.シングル煙突だと燃焼効率が落ちて、本来の二重断熱煙突であれば炉内で燃やすことができたであろう煤が煙突に大量付着して、燃料を無駄に捨てている
詳しくは以下のリンクに実験結果のレポートをしているが、シングル煙突だと薪ストーブの天板温度を保つために、一定の単位時間当たり、二重断熱煙突の二倍の薪の量が必要となる。つまり効率は半分しか出ていないということになる。
二重断熱煙突であれば、薪ストーブの炉内温度を上げてから、空気調整を極限まで絞って、弱い排気でも排気温度が下がらずに、ゆっくりと安定燃焼を維持することができるのだ。
一方のシングル煙突だと、空気調整を極限まで絞り、排気が弱くなると排気温度が下がり、ドラフト(上昇気流)が維持できなくなる。そこで不完全燃焼の状態に陥り、煤が大量発生するというメカニズムだ。
薪ストーブが本来の性能を発揮すれば、「煙突からの熱がどうの」と言う必要がなく、しっかりと薪ストーブ本体から熱を放出してくれる。煙突からの熱がないと暖かくならないという時点で、薪ストーブが本来の能力を発揮していないということだ。もし、煙突からの熱が必要なのであれば、煙突を外壁から抜いて、室内側にほとんど煙突が露出しない施工例では、温かくならないということになってしまう。実際には、そんなことはなく、煙突背面出しで、そのまま外壁を抜いた施工でも、問題なく室内は暖かくなる。
これだけの煤が付着しているということは、どれだけ燃焼効率が悪く、無駄に貴重な燃料を捨てているかということの現れとも言えよう。本来であれば、炉内で燃焼して燃えるはずだった燃料成分が燃え残って、煙突に付着しているわけだ。
シングル煙突で薪ストーブを使っている人は、その状態しか知らないので「こんなものだろう」と焚いているのだと思うけど、二重断熱煙突に入れ替えてみると、薪ストーブに対する世界観が変わると言っても過言ではない。そのくらい、シングル煙突と二重断熱煙突では、燃え方が違うのだ。以下の記事を読んでいただければ、実際にシングル煙突から二重断熱煙突に入れ替えた人の体験談がを読むことができる。シングル煙突と二重断熱煙突の比較、違いがより深く理解できると思う。
当然のことならが、入れ替え工事にはそれなりの費用もかかるが、極めて満足度の高いもので、お金をかけた価値を実感できると断言できる。シングル煙突ユーザーには、強くお勧めする。
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