
御自宅の新築やリフォームを予定されている、もしくは現在計画が進行中の方に向けた記事です。
新築やリフォームは通常ハウスメーカーや工務店、設計士に依頼するのが一般的です。
もしその計画に「薪ストーブの設置」が含まれているなら、「分離発注方式」という選択肢があることもぜひ知っておいてください。
従来の発注方法と分離発注の違い
「分離発注方式」をご存知ない方もいらっしゃると思いますのでわかりやすく図にします。
従来の発注方法
まずは従来のハウスメーカーや工務店、設計士に依頼する場合です。
通常みなさんはこの方式で家を建てられたりリフォームをされたりすると思います。
このパターンでは「薪ストーブ店(当店)」と施主の関係は以下のとおりです。
これをパターンAとします。

ご覧のとおり、パターンAでは薪ストーブ店、つまりこの場合は当店の「お客様」は工事代金を頂いているハウスメーカーや工務店です。
分離発注方式
これに対し「分離発注方式」の場合は以下です。
同様にパターンBとします。

パターンBの場合、当店のお客様はダイレクトに「施主」です。
つまり、家全体の設計・管理をするハウスメーカーや工務店、設計士と当店は同列です。
工事代金は施主から直接いただきます。
分離発注するメリットの一番はコストの削減
では、わざわざ分離発注にするメリットには何があるのでしょうか。
一番は上記した通り「中間マージン削減によるコストカット」です。
パターンAではともにハウスメーカーや工務店、設計士から薪ストーブ店(を含む下請け業者)にお金が流れる際中間マージンが差し引かれます。
仮にストーブ設置代金として施主が100万円支払うと、中間マージンの10~20万円が差し引かれ80~90万円が設置工事をする薪ストーブ店に支払われることになります。
これをパターンBのように薪ストーブ設置工事を分離発注して頂ければ、単純に中間マージン分の10~20万が安くなるという訳です。
予算が10~20万違えば、たとえば薪ストーブ本体の選択肢もかなり広くなります。
薪ストーブ店と直接やり取りすることによる多数のメリット
更に薪ストーブ設置工事を分離発注する大きなメリットは他にもあります。
それは「施主と施工者が直接やり取り出来る」ことです。
もちろんハウスメーカーや工務店、設計士と作業の連携はしますが、設置に関する主なやり取りは施主とします。
これが安心安全に薪ストーブを使い続けるにあたり非常に大きなメリットとなります。
どういうことかと言いますと、工務店や設計事務所の言いなりにならず施主が主導権を持つことで
- 細かな仕様、希望を直接伝えることが可能
- 高品質なパーツを使った安心安全の施工を得やすい
- 使用方法の丁寧なレクチャーがある
- メンテナンスや薪の調達法など快適な薪ストーブライフを継続的に送るための情報も得られる
- アフターフォロー不足による薪ストーブ難民になる心配がない
と多くのメリットがあります。
逆に分離発注することによるユーザーへのデメリットはありません。
薪ストーブ設置業者の顔が見えない設置工事は危険
また、パターンB(分離発注)ではなく「施工者が直接施主とやり取りできない」パターンAでは、以下に挙げる問題施工(設計)のケースが数多く見られるのです。
1.設計者は薪ストーブを使用したことがないため炉台が狭かったりメンテナンス性や動線も考えておられず使い勝手が悪くなることが多い
2.薪ストーブの使い勝手よりも「デザイン性」「見た目」が重視され実用性に欠ける
3.複数の薪ストーブ業者を相見積もりで極限までコストカットするので、耐久性の低い低品質の部材が使用され工期短縮により仕上がりの品質が低い
4.現場(この場合は当店)でより良い設置プランがあっても元請け会社(パターンA)の指示通りにしか施工できない(仮に提案しても下請け会社の声は無視される)
5.中間マージンが発生した分だけ薪ストーブ工事代が高くなる
6.設置後施主に対し薪ストーブの取扱説明や注意点を伝えたくても下請けは施主さんに繋がれずユーザーが薪ストーブ難民になるケースが多い(施工店が対応してくれないケースが極めて多い)
7.施工店と施主が繋がれないので、薪作りのノウハウ、使いこなしのコツ、メンテナンス方法などのレクチャーを受けることも期待できない
8.工務店や設計事務所に薪ストーブ施工店を指定しても、工務店や設計事務所の支配下にある薪ストーブ施工店は値段を叩かれ利益が少なく、その現場のフォローをしている余裕はない(薄利多売で常に工事に追われていて、ユーザーのアフターフォローまですることは困難)
9.薪ストーブ施工店が利益があまり出ないほど叩かれているので事業継続性も怪しく、そもそもメンテナンス時に施工店が存在しているかも疑問
10.そもそも薪ストーブを使ったことがない、もしくは自身が使用していない機種でも設置するので当然ユーザーに実用的な使用説明や注意事項を伝えられない
いかがでしょうか。
決して大げさに書いてる訳ではなく、実際上記した「設置しただけ」で「薪ストーブを使う」ことを考えていない問題施工が数多くあるのです。
薪ストーブ問題施工の一例
特に施主、ユーザーのことを考えているとはとても思えない酷い施工が数多くあることに驚きます。
以下は一例です。
- 驚きのスライド煙突なしの施工
- 煙突掃除を全く考えていない施工で敵前逃亡?
- 煙突が外れない&炉内に煤を落とすのが困難の二重苦
- 煙突掃除ができない物件にぶちあたった
- 横引き6メートル、縦の立ち上がり3メートルの、ありえない現場
- 薪ストーブに慣れてない業者の施工例は炉台や炉壁を見れば一発で判る
- 残念な煙突
- 甘く見てはいけないシングル煙突での施工
- 二重断熱煙突へ雨水が侵入して「水冷煙突」になった案件
- 積雪地域ではNGな「矩勾配の屋根にフラッシングで煙突を出す」プランだった
- 30年前のオールシングル煙突の施工
- 曲がりくねった煙突にしてしまう理由を考察してみた
- 工務店が設置した薪ストーブの煙突掃除の依頼を、その工務店から受けた
- 煙突やり直し工事
- 室内側の煙突をバラさないと煙突掃除できない物件
- バラさないと煙突掃除できない施工例
- 煙突掃除が簡単にはできない設置方法
特にスライド煙突を使用しておらず煙突をバラさないと煙突掃除時できない施工が多いことにも驚きます。
スライド煙突を使用しないと煙突掃除のたびに煙突をバラす作業費用と工事期間が必要です。
このような問題施工をしてしまった下請け薪ストーブ業者もお客様(ハウスメーカーや工務店、設計士)から少ない予算と短い納期を要求され酷い施工をせざるを得なかったのでしょうが、施主・ユーザーとしてはたまったものではありません。
そしてこのようなトンデモ施工になってしまう確率は当然パターンAのほうが圧倒的に高くなります。
運悪くこのような設置をされてしまうと薪ストーブはただの「無駄に場所を取るインテリア」でしかありません。
希望に溢れ決して安くない費用をかけて導入した薪ストーブが「場所を取る撤去が困難なインテリア」になってしまうのは避けなければなりません。
ライフスタイルに合ったベストな施工で快適な薪ストーブライフを

薪ストーブは人生を変える素晴らしい道具です。
遠赤外線で身体が芯から暖まる感覚はまるでお風呂に入っているようですし、「天板に載せておくだけ」「炉内に入れておくだけ」が基本の薪ストーブ料理は簡単で、強烈な遠赤外線を浴びた食材は何でも美味しくなります。
そして薪ストーブから多くのメリットを得ることが出来る、
お客様のライフスタイルにマッチした機種選定と導線を含めた設置工事、無理がなく現実的な薪ストーブ継続使用プラン
を立案することが当店には可能です。
また、導入前に薪ストーブ設置に関する質問を頂ければすべてお答えいたします。
その時点で「導入は無理そうだ」と薪ストーブの導入を諦められるのもまた賢明な判断です。
そして薪ストーブ設置を決断された方には導入初日から安心で快適な薪ストーブライフを送って頂きたい。
これが当店の願いです。
薪ストーブは人生を変えます。
そのためにも「分離発注」を活用しコストを抑えつつ安心・安全・快適な薪ストーブライフを手に入れてください。
最後に分離発注のやり方ですが
「薪ストーブ工事は私が直接薪ストーブ店に分離発注する」
と施主さんが設計事務所や工務店に伝え、金融機関に当店の薪ストーブ工事の見積りを提出するだけです。
参考記事
今回ご案内した分離発注方式について、以下記事でより詳細に記載しておりますので併せて御覧ください。
お問い合わせはこちらから
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